先生と私

アキラって呼んだ花村先生の声が頭の中でこだまする。


私の先生にはならないのに…―

胸が苦しいや。


いちいち苦しい想いしても2人で居たいと言えないんだよ?


教師と生徒だょ?


なんで好きになったの??


私は胸が苦しくなって下駄箱に座り込んだ。

「3人でなんか…帰りたくない」

ボソッと呟いてみる。

本音だもん……………――


「じゃあ、無視して2人で帰る??」

佐藤先生が顔を覗きこんでいたのに驚いて私は床に尻餅をついた。


「痛っ!!」

「大丈夫か!?」


「ビックリしたじゃん!いるならいるって言ってよ!!」


「言ったら本音聞けなかった」


先生は真面目な顔をして私を見下ろしている。


私は急に恥ずかしくなった。


「俺と2人で帰る?」


え……………?


「3人で帰る?」


「嫌!」


自分でも驚くくらい自然に出た言葉だった。


身体が火照って恥ずかしくて涙がポロポロ出た。


「2人で帰るか。泣くな?」


涙を先生の細くて長い指が撫でる。

先生は少し笑って私の頭を撫でた。


先生………好き


先生のこの優しさがみんなに同じじゃありませんように……


今だけは私だけの特別でありますように…………――
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