先生と私

〜次の日〜

「カオル!」


朝の下駄箱で友達の佐々木彩に勢いよく背中を叩かれた。

「痛っ!」

昨日、尻餅をついたお尻に響く。


「よかったじゃん!この幸せ者」
彩は嬉しそうに私の腕を組んだ。

「何が?」


「良とより戻すんでしょ?良が昨日帰りに言ってたもん!!」

………………え?


「カオル!」


呼ばれて振り返るとそこには良が頭をかきながら立っていた。

「昨日は悪かった。今日からはまた俺と一緒に帰ろうぜ」


「……」


「カオル?」


「やだ!カオル嬉しくて応えらんないの?可愛い」


茶化す彩の声に我に返る。

何?

簡単に振って、簡単にやり直すの?

私には良の気持ちが全く分からなかった。


< 19 / 71 >

この作品をシェア

pagetop