先生と私
〜次の日〜
「カオル!」
朝の下駄箱で友達の佐々木彩に勢いよく背中を叩かれた。
「痛っ!」
昨日、尻餅をついたお尻に響く。
「よかったじゃん!この幸せ者」
彩は嬉しそうに私の腕を組んだ。
「何が?」
「良とより戻すんでしょ?良が昨日帰りに言ってたもん!!」
………………え?
「カオル!」
呼ばれて振り返るとそこには良が頭をかきながら立っていた。
「昨日は悪かった。今日からはまた俺と一緒に帰ろうぜ」
「……」
「カオル?」
「やだ!カオル嬉しくて応えらんないの?可愛い」
茶化す彩の声に我に返る。
何?
簡単に振って、簡単にやり直すの?
私には良の気持ちが全く分からなかった。