先生と私
それからどうして教室に戻ったのか、授業を受けたのか覚えていない。
ただ、先生の真剣な顔と掴まれた腕の力はしっかりと覚えてる。
「カオル!部活行こうぜ!」
放課後、良からの誘いでまた目が覚める。
そっか。
私は良の彼女だ。
あんなに好きでたまらなかった良の彼女に戻れたんだった。
これが私の幸せだょね。
そう思わないと………―
先生を好きでいても苦しいだけだよね。
私は自分に言い聞かせるように良の隣を歩いた。