先生と私

「失って初めて知る、お前の大きさっ」


私は先生にすべてを話した。


「どうしたらいいんだろ?」


「お前の気持ちは?」


「私は……―」


私は思わず先生を見る。

どう答えたらいいの?

目があって、思わず下を向いた。


「俺が好き?」

…………!?

驚いて顔を上げると先生は真剣な顔して私を見ていた。


「…ん。」

素直に頷いてみた。
怖かったけど、やっぱり好きなの。

ほら。

先生を想うと、胸が痛くなって身体が熱くなって、涙が止まらなくなる。


「うん。先生が好きで……」


ふわっと温かいと思ったら先生がすぐ横に立っていた。


「じゃあ、お互いにその気持ちを大事にしよう。」

先生は私を抱きしめてそう言った。


「俺も名波が好きなんだ。」


先生は私の両頬に手のひらを当てて軽く唇にキスをした。


「分かった?俺たちは両想い」


「うん。」


「だからもぅ怖くないね?」


「うん。」


「好きだょ。でも、内緒だかららな!」


「うん。」


「泣くな?……好きだから。俺が守ってやるよ」


無理だよ…

先生が唇に、おでこに、額に、頬に小さなキスを音を立ててするんだもん。


可愛くて、幸せで涙が止まらないよ。


愛しくて涙が止まらないよ…
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