先生と私

「なぁんてね!冗談だょ。先生が心配させるから!」

『いいょ。』


え?

時が止まった気がした。

先生の声が右耳から気持ち良く流れているだけで幸せなのに…………―

「私…もぅパジャマだょ?」

『おぅ。なおさら会いてぇなぁ』

「でも、可愛いパジャマじゃないもん。」

『ん?でも、会いたいな』

「うん。私も会いたい…先生に会いたい」


電話の向こうで大きな吐息が聞こえて、カチャンと金属が鳴った。

『待ってなさい。』

先生はそれだけ言うと電話を切った。


夜の空を見上げたらそれはそれは綺麗な星がたくさんでどんな願いも叶う気がした。
< 30 / 71 >

この作品をシェア

pagetop