先生と私
良の事なんて考えなかった。
先生の胸の中はあったかくて悪いことなんて少しだって考えなかった。

「山田とは付き合ってどこにいった?」


質問に驚いて先生の顔を見た。

「何でそんな事聞くの?」


「俺は教師だから山田と行ったようはファミレスやカラオケ、動物園や遊園地にも連れてってやれないよ」


先生は私の背中に顔をうずめて申し訳無さそうに言った。


やっぱり教師と生徒ってなかなか認められないんだ。

好きだけじゃどうにもならないの…?


何にも答えられなかった。


まだ私にはどうしたらいいのかわからなかった。


まだまだ私は子供で会いたいときに会って、みんなに先生を紹介したくて…………―

それが全部できなくてどうすればいいのかわからない。


この時先生が胸に抱えていた過去の傷を私が掘り返して行く事になることも全く知らずにただ今を幸せだと先生の手を握り替えした。
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