先生と私

空の下


side 花村


「アキラ!」

待ち伏せしてたみたいに職員室でアキラに声をかけたのは少し焦らせてやりたかったから。


生徒とやけに仲がよくて。

でも、あの子は何だか他の生徒と態度が違うことに気づいてる?

「生徒がどこで聞いてるかわかんないだろ?“先生”くらい付けて呼べよ。」


「どこにいたの?探したけど?」

「保健室だけど?なんか用事?」

「今日一緒に帰らない?相談もあるし!」


アキラは少し考えたけど、
「悪いな。大事な用事があるから。」
って言った。


大事って?

どこに行くの?


「アキラ!」

振り向いたアキラが笑顔だったからムカついた。


「また誘ってもいい?」


「おう!またな。」


嫌いだって、ムカつくって言えた方が楽だった。

好きだって叫びたくてたまらなくなってた。


去っていく背中に思い切り睨んだ目から大粒の涙がこぼれてまた気持ちを再確認した。
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