先生と私

先生を待つ時間はちっとも苦じゃない。

それよりも何を話そうかとか、手に触れたいなぁ…とか、
頭、撫でてもらえるように可愛くしてないと……とか悩んでばかりで幸せだった。


「カオル!早く乗れ!!」


車の窓をあけて私を呼ぶ先生を見つけて隠れるように車に乗り込んだ。


「よぉ、カオルちゃん。さっきまで泣いてたのにもぅ平気に立ち読み?」


「先生も職員室に戻ってから遅い帰りですね?」


助手席に座った私はシートベルトをしながら先生にイヤミを返した。


「あぁ、花村がいて喋ってたから。」


何か胸の奥でざわざわと波打つものがあって胸が一気に不安で苦しくなる。


先生は気にしないで前を向いて運転しているけど


私はこの気持ちをやっぱり素直には話せないよ。

先生、私はずっとこうして胸の痛みと戦うのかな?

先生を好きだって言っても言ってもいいたりないのが悔しいよ…

先生はヤキモチやいたりする?

大人はこんな時どうするの?


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