先生と私
「名波さん!」
学校の下駄箱で朝から息を切らして話しかけてきたのは花村先生だった。
「ちょっといい?」
「はい」
生徒指導室に誘われても昨日のキスのせいか先生が守ってくれているみたいで怖くなかった。
「ごめんなさい、朝から。……………聞かれる事、わかってるんじゃない?」
「佐藤先生の事ですか?」
「…!?どういう関係?」
私の言葉に花村先生は私をキッと睨んだ。
「佐藤先生に聞いたらいいじゃないですか」
私も負けずに先生を睨んだ。
「バレたらどうなるかわかってんの?」
「知らない」
「は?バレたらアキラはクビだし、あなただって退学よ?」
花村先生はそぅ言うと一気に顔色を変えて笑い始めた。
「どうでもいいです。あなたが言わなきゃバレないじゃない!!先生も佐藤先生が好きなら堂々と伝えればいいじゃないですか!!私は先生が好きです!負けないくらい!!」
私が大声を出したからか、言われた言葉が図星だったからか花村先生は黙って生徒指導室を出て行った。
足が震えた。
涙も出てきた。
でも、負けた気はしなかった。