先生と私

教室の前まで来て息を整える。

大丈夫………――


息を吸う…

はく………………


「名波、遅刻だぞ?」


呼ばれた声に振り返ると佐藤先生が目の前にいた。


「おはよ、先生。」


「眠れなかった?ドキドキして」

「残念、しっかり寝ました!」


先生は私の鼻をつまんで先に教室に入った。


「出席取るぞ!」


いつもの朝。

先生の気持ちだって、きっとこんな風に毎日おんなじに決まってる………


毎日おんなじに…………


決まってるょね…………?


不安なんて風にのって飛んでけばいいのに。


窓の外を見つめて思う。


明日の君も今日の君であるように…―
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