先生と私
すれ違う気持ち
佐藤先生からの返信は早かった。
《生徒会室で待ってるから》
私は夢中で階段を駆け下りた。
会いたい気持ちが抑えられなかった。
―ガラッ!!
「早いなぁ。何秒だった?」
佐藤先生は笑いながら腕時計を見ていた。
―…………!!
「背中から抱きつくなんていやらしい」
先生は楽しそうに笑って話す。
「私の事好き?」
「ん?好きだよ?どした?」
先生は私の腕を掴むとゆっくりこっちを振り返った。
先生の顔が近くてドキドキする。
「誰に好きって言われても流されないで?」
「おぅ。」
先生の手が私の頭を優しく撫でてくれただけなのに……
涙が止まらない。
「先生!!」
私は力いっぱい先生に抱きついた。
絶対に離さないんだからって思ってた。
先生が涙と頬にキスをする。
何だか愛しくて苦しい。
肩におかれた手のひらの温もりが幸せだと感じさせていた。