先生と私
〜♪〜〜♪〜
《着信 先生》
「あ。」
「でてもいいよ?」
牧野先生の言葉で私は出ることにした。
名前を言わなきゃバレないしね。
「もしもし?」
『俺。今どこ?』
「今?もう駅に着くよ?」
先生がまた話そうとしたとき、
「じゃあな、名波!気をつけて帰れよ!」
と、牧野先生が手を振って改札に走っていった。
「送ってもらってありがとうございました!」
私は牧野先生に手をふって、先生の電話に話しかけた。
「先生はどこですか?」
『…………。』
「あれ?先生?」
『カオル、今牧野さんと一緒なの?』
先生の低い冷たい声が左耳から身体に流れる。
完璧に重たい世界に入ったのがわかった。