先生と私
隠せない真実
それから何日か先生とは目もあわせにくい日が続いた。
考えていた。
毎日何時間だって考えていた。
けど、
けどね。
何で態度が変わったのか分からない私にはどうしても答えなんて出なかった。
「名波さん?」
急に呼ばれた私は驚いて飛び上がった。
呼んでいたのは花村先生だった。
「どうしたの?そんなに驚かないでよ。次の数学、自習にしてってみんなに伝えて?」
「ぁ…はい。」
私は返事をして驚いて落としたケイタイを拾った。
「……何かあった?」
「!?」
花村先生は長い髪を耳にかけながら私の顔を覗いた。
「別に…―」
私はそれしか言えなかった。
この人も先生が好きなのに、今はいっぱいで気持ちに余裕がなくてこれ以上話したら
間違いなく涙がこぼれ落ちる――………!!
「三上さん!」
花村先生が急に他の生徒を呼んだ。
「名波さんが調子悪いから保健室に連れて行くから次の数学、自習してなさい。」
え…―?
「はい!わかりました!」
他の生徒が自習と聞いて嬉しそうに走って行った。
「行こう。ここでは泣くの我慢しなさい。」
私はただ下を向いて肩を支えてくれている花村先生の促すままに従って歩いた。