先生と私

制服に着替えた私を待ってくれていた先生は保健室に鍵をかけてボソッと何か呟いた。


「え?先生聞こえない」


先生は急に私の腕をつかむと耳元で小さい声で呟いた。


「夜の学校って怖いな。」

ふっと笑った私に先生は鍵をちらつかせた。


「ははっ先生、男でしょ?」


「笑うなよ、看病してやっただろ?」


先生の手が腕を離さなかったから、私は先生を誘導して先を歩いた。


職員室までの時間は辛かった気持ちなんてすっかり忘れていた。

先生の存在を初めて有り難いと感じた。

先生といて楽しかった。
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