Only love
『雅樹。山口雅樹。よろしくね、美紅ちゃん』
『ま…さき……さん?』
握っていた包丁をまな板の上に置いて握手を求められた。
なっ…なんで名前知ってんの!?
意味がわからにゃい…
と思いつつ警戒しながら握手をする。
『あ、美紅ちゃん。グラタン作ったから食べない?』
毒とか入ってねぇか?…と思いつつグギュルルーとなるお腹には勝てないわけで…
『いただきま〜す…』
『ど〜ぞ♪』
グラタンを口に運ぶまでじっと私を見る雅樹さん。
食べにくいったらありゃしない。
ったく…もう意味わかんな…
『おいし────っ!!』
はっ…と気付いたときにはもう遅く、叫んでしまった…
『あ…ごめんなさい…』
ちらっと雅樹さんをみると、絶対怒られると思ったのに目に写ったのはケラケラ笑う雅樹さん。