ALLY


やっぱりカホさんはモテるんだなぁと思った。

「ま、俺諦めねぇから。」

佐藤は笑いながらそう言う。

「渡さないっすよ。」

俺も少し笑ってそう言った。

その時、カホさんが走って戻ってきた。

「ごめん。遅くなっちゃった。」

「あ、いえ。」

「あれ?佐藤まだいたの?」

「何だよそれ―。
俺ショックで風邪ひくぞ。」

「馬鹿は風邪ひかないよ?」

「うるせ―。
じゃあな、また学校で。」

佐藤は1度俺の方をチラッと見てからカホさんに手を伸ばして頭を撫でた。

「ちょっ……。」

思わず声が出てしまった俺をカホさんが不思議そうに見てきた。

え?
カホさんにとって頭撫でる事って普通なの?

あ―また不安になってきた。

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