TREASURE
「相沢はさ、大人だねとかしっかりしてるね。って言われない?」
「よく言われます。」
「悩みないでしょって言われない?」
「言われます。」
「その事を苦痛としてない?」
「・・・・・。」
「私は大人なんかじゃない! しっかりなんてしてない!とか思わなかった?」
「なんで分かるんですか?」
「俺も思ってたから。」
「・・・・・。」
どこか遠い目をした先生はあの時の冷たい目をしていた。
あの目は、先生の過去なんだ。