TREASURE
麻里に「先に帰るね」と言うとちょっと顔を赤らめた。
いいなぁ。 恋してる女の子は。
昔の私もこんな風に素直だったら良かったんだけど。
不意に、空を見る。
・・・・こうやって空を見る回数も減ってたなー。
それでも、心が見ていた色褪せた世界とは一変しすごく澄んでいた。
「大分、日の落ちが遅くなったねー。」
「だねー」
「・・・・・」
一緒に帰るのはいい物の話が進まないのはつらい。
「ねぇ・・・。」
「ん?」