べガとアルタイルの軌跡
「えっ、あのっ」



私は心の整理が出来なかった。

2度と会えないと思っていた人が目の前に居て……別の人と幸せに暮らしてると思っていたのに、そうじゃなかった。



「俺、あの頃、油断してたんだ……毎日のように会ってたから必要無くて、気が付かなかった。携帯の番号とメアド、知らなかったんだよな……すっかり知ってるつもりだったから、焦った」

やっぱり、同じような事、思ってたんだ。



「3年前の今日、偶然仙台に出張で帰って来てたから、会えるような気がして、七夕前夜祭の花火大会に行ったんだ……でも、会えなかった」

あっ……じゃぁ、あれって見間違いじゃなかったのかも?



「今日もここに来たら、会える気がした……会いたかったんだ、ずっと」



槙原くんが真剣な顔をした。

そして。

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