べガとアルタイルの軌跡
「うわっ、花火やるなんて、何年振りだろう」

槙原くんが火を点けた花火は、金色のような1色で輝いていた。



「ほらっ、竹下さんの花火、ここから火を点けるから、早く!」

あっ。

「うん」

私は慌てて持っていた花火を、槙原くんの花火に近付けた。



すぐに、グリーン色っぽい光が輝き出した。

「……綺麗……」

思わず花火に見惚れていると。



「今度、これ」

そう言って次の花火を手にし、私の花火から火を点けようとする槙原くん。

そうやって、交互に火を点け合って、いろいろな花火をやった。



不思議。

2人でこんなふうに花火をするなんて。



本当は、ずっと不思議だった事がある。

初めてここで会った時、名前を聞いて私は気が付いたけど……槙原くんに確認出来ていなかった。

なんだか、今なら、訊けそうな気がする。


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