はちとハニー

「佑、妬くなってー」

笹山くんがからかってみせる。

「妬いてなんかいっいな…い…」

噛み噛みでゴニョゴニョと話す佑はなんだか可愛くて愛しくて抱き着きたいけれど、今はその気持ちを我慢する。
笹山くんの話を聞かなきゃダメだから。

「柚希ちゃん、佑の様子最近変だった?」

前みたいに笹山くんは背を丸くして屈みながら私と目線を合わせる。

「変だった、ものすごく」

「だよね、だって俺らが罰ゲームさせてたから」

「へ?」

拍子抜けたような間抜けな声を思わずだしてしまった。

「ぷ…、ごめん、笑っちゃった。
柚希ちゃん、佑はね俺とのカラオケ勝負に負けたんだよ」

「笹山くん、歌上手なんだ…」

そんな感想しかでてこないけど。

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