はちとハニー

ムリだと言って首を横に振っていた佑の動きがピタっと止まった。

「ご褒美…?」

どうやらそこにちゃんと反応してくれたらしい。

「うん、ご褒美。ほしいの?」

「くれるならほしい」

「じゃあ歌って?」

「歌って、言われて歌えるものじゃないよね」

佑はなかなか
うん、とは言わないようで歌おうとはしない。

「まぁそうだけど…。
もういいや。佑、ご褒美はなしね」

私は、佑から少し離れた。

「ご褒美て何だったの?」

「…ちゅー…」

< 50 / 53 >

この作品をシェア

pagetop