フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
ヘタこいた
 勇太は夕飯の後片づけを済ませると、リビングにあるソファーの隅っこで恐縮して座っている私にパソコンの雑誌を何冊か持ってきてくれた。
「そんな隅っこに座ることないのに。ゲストは村瀬さん一人なんだから」
「いえ、お気遣いなく…」
「ブログの事なら気にしてないよ。ちょっとビックリしたけど、ぜんぜん怒っていないから」
「でも…ブログやるって言ったのは私なのに、知識がゼロなんて申し訳ない」
「俺は嬉しいよ。だって持っているパソコン関係の知識をフルに使える機会なんてそうないから。どうせなら、ものすごいのにしちゃうかな」
「ものすごいの?…あ、でも、うちのパソコンはデスクトップでカンタンに持ち運びできないの。来てもらうのはぜんぜんかまわないんだけど、部活があるから帰るの遅いし、手間をかけている時間あるかな?」
「俺の家のパソコン使えば?その方が時間的に効率いいだろ?」
「でも、電気代かかるし…」
「半分は俺の趣味でやるんだ。趣味は好きでやるものだから、投資オンリー。見返りは期待しない。気にしなくていいよ」
「そう?」
「うちなら大手のプロバイダー会社と契約しているから、ブログもカンタンかつ無料で開設できる。ブログパーツも、調べてみたら制限はあるけど無料で使えるのが結構あった。それを上手く使えば、タダ同然でステキなブログがつけれるよ」
「すっごーい!」
「村瀬さんは携帯電話のメールを使って記事を書いて俺に送って。送り先は、俺の携帯電話。パソコンだとプリントアウトするか、いちいちウインドウを移動させなきゃメールを見れないけど、携帯電話なら見ながら打てる。その方が効率良いだろ?」
「写真は?」
「写真はパソコンに落としていってもらおうかな」
「了解!」
「ちなみに。今日は少し書いていってくれるかな?せっかくここにいるんだし。パソコンで文章は打てる?」

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