フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
上から目線の言い方に、私はカチンとした。脅えていたのも忘れ、一気に闘志が燃え上がった。
「やだよ!待ってくれている子、沢山いるもん!」
「イヤがっているヤツも沢山いるの。イヤがってんのに、やるっての?」
「でも杉山先生に土曜日までやってもいいって許可取ったの。だから胸を張って堂々とやるわ」
「先生が良いって言っても、現に迷惑している人間はたくさんいるの。だから、即刻やめて」
「やめない!昨日やっと始めたばかりだもの。勇太君と二人でがんばるって誓ったもん。さっき多くの女の子達の前で『やる』って宣言したもん!ここで逃げたら、みんなガッカリする!」
「ガッカリすればいいのよ!誰かに迷惑かけなくなるんだから。そっちの方がずっといい!」
「だいたいどうして私が麗の言うこと聞かなきゃなんないの?校長先生や教頭先生じゃあるまいし。私を言いなりにしようとしないで!」
「私よりずっと頭が悪いクセに、エラそうな事言うんじゃないわよ!」
「そっちこそ、ちょっと勉強ができるからって、お高く止まらないでよ!」
「ちょっとじゃなくてスゴくできるから言ってるの!」
「へぇー勉強できるってそんなにスゴイの?だったら勇太君のブログを見たいって言う女の子の気持ちだって、よーくわかるでしょ?」
「わかるわよ、それくらい。チョロイもんよ」
「だったら何で『ヤメロ!』ってヤクザみたいに脅すのよ!」
「ヤクザじゃないわよ!そこまで言わないとわからないから、しょうがなく言ってんじゃない!」
「ヤクザじゃない!昨日の事といい、今の事と言い、大声で怒鳴って。まるでヤクザじゃない!」

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