フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
次の授業はほとんど頭に入らなかった。書いている字もマヌケで、『心、ここにあらず』と如実に現していた。
麗は結局授業に出てこなかった。ぽかんと空いた空間がむなしさを膨張させた。
―私の胸の中は、後悔でいっぱいになった。―
(いくらなんでも、あれは言い過ぎだったよな)
授業が終わっても、私は席を立つことができなかった。麗の席をボーッと眺めていた。
「美羽ちゃん、教室戻らない?」
「うん」
「おいしいキャラメル買ったの。こっそり持ってきたんだけど、食べない?」
「うん」
「…麗ちゃんなら、大丈夫だよ」
「えっ?」
「麗ちゃん強いから、必ず復活するよ。時間はかかるかもしれないけど」
琴美は私の隣の席に腰掛けると、ニッコリ笑った。
「本当に、そう思う?」
「うん、絶対」
「本当に?」
「うん。けっこう私のカンて、当たるんだよ」
「すごい自信」
「お母さんがね、いつも私にこう言うの。『神様はね、男性と女性を平等に作ったんだよ』って」
「平等?そうかなぁ。私のお母さんはいっつも『生まれ変わったら男になりたい。だって働いていたら何かと優遇されるし、ご飯作らなくていいし、洗濯しなくていいし、お姑さんに気を使わなくていいし。女って、サイテー』って文句言ってるよ」
「不公平と思うのは、勉強不足だって言われた」
「あー私、確かに勉強不足だな。だから不公平だって思うのかも…で、琴美のお母さんは、何で男性と女性は平等だって言うの?」
「男性には『力の強さ』を、女性には、『心の強さ』を神様は与えたんだって」
「へぇー」
麗は結局授業に出てこなかった。ぽかんと空いた空間がむなしさを膨張させた。
―私の胸の中は、後悔でいっぱいになった。―
(いくらなんでも、あれは言い過ぎだったよな)
授業が終わっても、私は席を立つことができなかった。麗の席をボーッと眺めていた。
「美羽ちゃん、教室戻らない?」
「うん」
「おいしいキャラメル買ったの。こっそり持ってきたんだけど、食べない?」
「うん」
「…麗ちゃんなら、大丈夫だよ」
「えっ?」
「麗ちゃん強いから、必ず復活するよ。時間はかかるかもしれないけど」
琴美は私の隣の席に腰掛けると、ニッコリ笑った。
「本当に、そう思う?」
「うん、絶対」
「本当に?」
「うん。けっこう私のカンて、当たるんだよ」
「すごい自信」
「お母さんがね、いつも私にこう言うの。『神様はね、男性と女性を平等に作ったんだよ』って」
「平等?そうかなぁ。私のお母さんはいっつも『生まれ変わったら男になりたい。だって働いていたら何かと優遇されるし、ご飯作らなくていいし、洗濯しなくていいし、お姑さんに気を使わなくていいし。女って、サイテー』って文句言ってるよ」
「不公平と思うのは、勉強不足だって言われた」
「あー私、確かに勉強不足だな。だから不公平だって思うのかも…で、琴美のお母さんは、何で男性と女性は平等だって言うの?」
「男性には『力の強さ』を、女性には、『心の強さ』を神様は与えたんだって」
「へぇー」