フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
邪魔者、見参!
 色々あったが、ブログは予定通り更新されていった。私も苦手だった記事の作成が少しずつ上達し、写真の撮り方も上手くなっていった。
 努力とコマキのおかげで、アクセス数は日を追うごと伸びていった。最初1万程度だったが、翌日火曜日は2万7千まで伸びた。同時に、正門前で勇太の登下校姿を拝もうと待ちかまえる他校の女子生徒数も増え、数日前とは様相が一変した。
 以前は登校してくると出迎えてくれたのは麗待ちの男子生徒だったが、ほとんど消え失せ、女子生徒がウヨウヨしていた。まるで『大奥』のようだ。
(この光景を拝むのは二回目だってのに、なかなか慣れないなぁ…自転車乗っている自分が浮いて見えるからかな?)
ブログ三日目、水曜日、朝。落ち着かない気分のまま正門を抜け、駐輪場に自転車を止めた。振り返ってみれば、麗はまだ登校してきていないらしく、今日も追っかけの男子生徒が正門の前でウロウロしていた。ただ、勇太の追っかけ女子に押されているせいか、こじんまりとしているように見えた。人数もさることながら、女子の迫力に押され気味である。ちょっとかわいそうだった。
 彼らの様子をうかがいながら教室へ向かい歩きだすと、後から来た二人組の男子生徒が結構大きな声でしゃべり出した。私は嫌な予感がし、速度を落として彼らの話に聞き耳をたてた。
「マジ、ウザくねぇ?あの女達。朝早くから厚化粧してお化けみたいだわ、キャーキャーうるさいわ」
「そうそう。あいつらみんな、アメリカから来た勇太・レイシーの追っかけだろ?ハーフで背が高くて、ちょっとツラが良いからって騒ぎすぎじゃね?」
「遠くから見てるからカッコ良く見えるけど、近くから見たらそうでもないぜ。ちゃんと近くで見ろっての!」
「それにしても、ここまでひどくなったのは、月曜から公開しているブログのせいだよな。あれやんなきゃ、朝から女がウジャウジャ集まって来る事もなかったろうし。ブログ立ち上げた村瀬って女、チョー腹立つよな」

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