フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
圭介がタイプではない琴美は、彼の言葉を素直に受け取れなかった。
「そうそう、圭介さん。私、麗ちゃんに用事があって来たんです」
「麗に?俺じゃなくて?」
「はい」
あまりにもキッパリ言ったので、圭介は意気消沈した。しかし琴美は気にしない。
「麗ちゃん、今日学校を休んだじゃないですか。カゼだって聞いたんですけど、本当ですか?」
「それを俺に聞いちゃう?」
「当然です。一緒に住んでいるんですから、よくわかるでしょ?」
「教えたら、一緒にお茶でも飲んでくれる?」
「できません。私、忙しいので」
「琴美ちゃん、冷たいなー」
「私、家に帰ってやる事が沢山あるんです。早く教えて下さい」
「わかったわかった。そう、怖い顔しないで」
「だったらもったいぶらずに教えて下さい」
「いや、それがさ。俺もよくわからないんだ」
「わからない?」
「ああ。今日は一講目…つまり朝から講義が入っていたから、バタバタと準備をして家を出たんだ。出たのは午前7時50分頃なんだけど、麗はまだ部屋から出て来ていなくてさ。母さんが何度も起こしに行ったんだけど、ドアには鍵がかかっていて入れないし、何も言わなかったらしいんだ」
「つまり、お母さんの問いかけに無言だったって事?」
「そう。一講目が終わった頃、母さんから必死の電話が入ってさ。さすがに麗が必死になって大学から帰ってすぐ様子を見に行ったら、『ウルサイ』って怒られて。でもそれ以上は何も言わなくてさ」
「じゃあ、カゼって言うのは?」
「母さんがウソをついて学校に連絡したんだ。麗はプライドが高いから、自分から『仮病使って休みます』なんて言わないだろうと思って」
「そうそう、圭介さん。私、麗ちゃんに用事があって来たんです」
「麗に?俺じゃなくて?」
「はい」
あまりにもキッパリ言ったので、圭介は意気消沈した。しかし琴美は気にしない。
「麗ちゃん、今日学校を休んだじゃないですか。カゼだって聞いたんですけど、本当ですか?」
「それを俺に聞いちゃう?」
「当然です。一緒に住んでいるんですから、よくわかるでしょ?」
「教えたら、一緒にお茶でも飲んでくれる?」
「できません。私、忙しいので」
「琴美ちゃん、冷たいなー」
「私、家に帰ってやる事が沢山あるんです。早く教えて下さい」
「わかったわかった。そう、怖い顔しないで」
「だったらもったいぶらずに教えて下さい」
「いや、それがさ。俺もよくわからないんだ」
「わからない?」
「ああ。今日は一講目…つまり朝から講義が入っていたから、バタバタと準備をして家を出たんだ。出たのは午前7時50分頃なんだけど、麗はまだ部屋から出て来ていなくてさ。母さんが何度も起こしに行ったんだけど、ドアには鍵がかかっていて入れないし、何も言わなかったらしいんだ」
「つまり、お母さんの問いかけに無言だったって事?」
「そう。一講目が終わった頃、母さんから必死の電話が入ってさ。さすがに麗が必死になって大学から帰ってすぐ様子を見に行ったら、『ウルサイ』って怒られて。でもそれ以上は何も言わなくてさ」
「じゃあ、カゼって言うのは?」
「母さんがウソをついて学校に連絡したんだ。麗はプライドが高いから、自分から『仮病使って休みます』なんて言わないだろうと思って」