フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
突然の!KISSチャンス!
部活をいつも通り終えると、再び勇太に自転車を漕いでもらい彼のマンションへ向かった。琴美から『麗に会えなかった』と報告メールをもらいちょっと切ない気分だったが、『多くの女子がブログを待ってくれている』と思い、気持ちを奮い立たせた。
(そう言えば、こうして来るのもあと二回か。密着取材が終わればこれまで通りファンの一員に戻ってしまう。…それって、悲しいな)
思うと切なかった。
家に入ってすぐ、勇太は珍しく私服に着替えた。
「今日はもう少しプライベートを紹介するよ」
勇太は紺色のポロシャツを着て、ホワイトジーンズを履いていた。眼鏡も青いフレームに替えていた。
(うわ、爽やか!ステキ!ああ…こうして普段着を拝めるのも今日を含めてあと2日。貴重だなぁ…そうだ、せっかくだから、全身撮ってみよう!)
「勇太君」
「何?」
「私服姿、全身撮りたいんだけど良い?」
「えっ?どうしようかな。さすがにバイト代もらっちゃおうかな」
「バイト代?私、そんなお金無い…」
私は頭の中が真っ白になった。安月給の父からもらうお小遣い。高校2年生になってなお、大した金額ではない。とても勇太にバイト代など払えなかった。
とたん、勇太はゲラゲラと笑い出した。
「冗談だよ。俺は普通の高校生、そんなものもらうわけないだろ」
「ひっどーい!本気にしちゃったじゃない!」
「落ち着いて落ち着いて。さあ、どこで撮る?時間も無いし、とっととやろうよ」
「んー。じゃあ、その絵の側で壁に寄りかかって」
「オッケーこれでいい?」
勇太はジーンズのポケットに手をつっこみ、壁に寄りかかると足を前で交差させた。
「表情かたーい!」
「プロのモデルじゃないんだから、緊張するんだよ」
「じゃ、変顔して」
「そっちの方がもっと困る」
(そう言えば、こうして来るのもあと二回か。密着取材が終わればこれまで通りファンの一員に戻ってしまう。…それって、悲しいな)
思うと切なかった。
家に入ってすぐ、勇太は珍しく私服に着替えた。
「今日はもう少しプライベートを紹介するよ」
勇太は紺色のポロシャツを着て、ホワイトジーンズを履いていた。眼鏡も青いフレームに替えていた。
(うわ、爽やか!ステキ!ああ…こうして普段着を拝めるのも今日を含めてあと2日。貴重だなぁ…そうだ、せっかくだから、全身撮ってみよう!)
「勇太君」
「何?」
「私服姿、全身撮りたいんだけど良い?」
「えっ?どうしようかな。さすがにバイト代もらっちゃおうかな」
「バイト代?私、そんなお金無い…」
私は頭の中が真っ白になった。安月給の父からもらうお小遣い。高校2年生になってなお、大した金額ではない。とても勇太にバイト代など払えなかった。
とたん、勇太はゲラゲラと笑い出した。
「冗談だよ。俺は普通の高校生、そんなものもらうわけないだろ」
「ひっどーい!本気にしちゃったじゃない!」
「落ち着いて落ち着いて。さあ、どこで撮る?時間も無いし、とっととやろうよ」
「んー。じゃあ、その絵の側で壁に寄りかかって」
「オッケーこれでいい?」
勇太はジーンズのポケットに手をつっこみ、壁に寄りかかると足を前で交差させた。
「表情かたーい!」
「プロのモデルじゃないんだから、緊張するんだよ」
「じゃ、変顔して」
「そっちの方がもっと困る」