フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
(な、何が起こっているの?)
堂前先輩は人垣の厚さも異常な熱気も少しも怖いと思っていないらしく、怯むことなく突入した。
「いたっ!」
ぶつかられた方も、ぶつかった私も、同時に叫んだ。かなりの勢いで突っ込んだから。それでも堂前先輩は止まらない。中心へ向かってどんどん進んでいく。一瞬『もう、帰りたい』と思った。
しかし、いる女子をチラチラ見ていたら考えも変わった。全員キラキラした目で中心を見ているから。
(よく考えたら、他の部の部員まで引きつけるほど魅力がある人か物が中心にいるんだもんね。一見の価値はある!)
イライラがワクワク、ドキドキに変わった。
「カッコいい…」
誰かがそう呟いたのを聞けば、ますますやる気が沸いた。そして、ふとヒラめく。
(…カッコいい?ってことは、男?)
そして、さらにヒラめき鳥肌がたった。
(も、もしかして…人垣の中心にいるのは、勇太君?用事があるって言ってたけど、まさかバトミントン部に用事があったの?)
信じられない展開に、一秒でも早く見たい衝動に駆られた。先輩に引っ張られ歩いていたのに、いつの間にか自らある行き人垣を渡りきろうとしていた。
あと2、3人で人垣が終わるというところで、中心にいると思われる人の二つの頭が見えた。一つは短めに切った前髪を立てた頭、もう一つは、前髪を立てた人より10センチも高い位置に天辺がある、ずいぶん背の高い人だった。深緑色の眼鏡のフレームが、頷くたびチラチラ見える。
(あの眼鏡、見たことある!それに、前髪を立てているのは、たぶん部長の新垣良太(あらがき りょうた)君。新垣君は、身長が175センチはあるんだよ。眼鏡をかけた人は彼より10センチも高い。その高身長、絶対勇太君だ!)
思いが確信に変わったとたん、人垣を抜けた。
堂前先輩は人垣の厚さも異常な熱気も少しも怖いと思っていないらしく、怯むことなく突入した。
「いたっ!」
ぶつかられた方も、ぶつかった私も、同時に叫んだ。かなりの勢いで突っ込んだから。それでも堂前先輩は止まらない。中心へ向かってどんどん進んでいく。一瞬『もう、帰りたい』と思った。
しかし、いる女子をチラチラ見ていたら考えも変わった。全員キラキラした目で中心を見ているから。
(よく考えたら、他の部の部員まで引きつけるほど魅力がある人か物が中心にいるんだもんね。一見の価値はある!)
イライラがワクワク、ドキドキに変わった。
「カッコいい…」
誰かがそう呟いたのを聞けば、ますますやる気が沸いた。そして、ふとヒラめく。
(…カッコいい?ってことは、男?)
そして、さらにヒラめき鳥肌がたった。
(も、もしかして…人垣の中心にいるのは、勇太君?用事があるって言ってたけど、まさかバトミントン部に用事があったの?)
信じられない展開に、一秒でも早く見たい衝動に駆られた。先輩に引っ張られ歩いていたのに、いつの間にか自らある行き人垣を渡りきろうとしていた。
あと2、3人で人垣が終わるというところで、中心にいると思われる人の二つの頭が見えた。一つは短めに切った前髪を立てた頭、もう一つは、前髪を立てた人より10センチも高い位置に天辺がある、ずいぶん背の高い人だった。深緑色の眼鏡のフレームが、頷くたびチラチラ見える。
(あの眼鏡、見たことある!それに、前髪を立てているのは、たぶん部長の新垣良太(あらがき りょうた)君。新垣君は、身長が175センチはあるんだよ。眼鏡をかけた人は彼より10センチも高い。その高身長、絶対勇太君だ!)
思いが確信に変わったとたん、人垣を抜けた。