フェアマン～愛しい彼はハーフの男の子～

「あなた達くらいの時だと、全てがみんなと同じじゃなきゃダメだと思っているけどね、大人の私からすると、ちょっとくらい人と違っていても大したことないの。かえって人間として幅が出来ていいと思うわ」
「はあ…」
「それに、たぶん気づいている思うけど、今回休んだのは仮病。麗はお察しの通りピンピンしているわ。あの子は体は丈夫だから、長生きすると思うの。高校生２回くらいやっても、余裕で社会人を３０年はできるわ。おまけがつくくらいよ」
「はあ…」
「何にしても、麗は恵まれているわね。こんなに良い友達がいるんだもの」
ふいに、私の胸はズキッと痛んだ。私は思わずお母さんから目をそらした。
「私、良い友達じゃありません」
「あら、どうして？」
「麗に、ヒドイ事言っちゃったんです」
「まあ、言っちゃったの」
「はい、言っちゃったんです。たぶんそれが原因で、学校に来れないんだと思います」
「そうなの…」
「す、すいません…」
私はますます気まずくなり下を向いた。手も放した。
「残念！予想はずれた！」
「えっ？」
「あたし、男の子にフラれたんだと思っていたの。それも、バドミントン部の子にね」
「バドミントン部？何でですか？」
「昨日の夜、たまたま麗の部屋に入る事ができたんだけど、ラケットはまっぷたつに折れているし、ジャージやハーフパンツ、Ｔシャツが粉々に切り刻まれていたのよ」
「ええっ！」
「美羽ちゃんにヒドイ事言われたなんて知らないから、もしかしたら大失恋して、その腹いせにやったかもと思ったの。ほらあの子、負けず嫌いだから、フラれるのなんて許せなさそうでしょ？」