フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
再会
私と勇太は正門とは間逆の方向、つまり校舎の裏へ向かって歩いた。もちろん誰も気づかない。まだまだ男子は麗に夢中だし、勇太本人は、本人ととてもわからないような格好をしているので、追っかけ女子は普通に探していた。
校舎の裏は小さな土手になっていて、上ると車一台がどうにか通れる細い道があった。そこを学校の生徒達に見つからないよう注意しながら渡り、さらに校舎から離れるよう北へ向かって歩いた。
歩くこと5分。目の前には緩やかな流れの川が現れた。住宅地の真ん中を流れる川はあまり綺麗ではなかったが、雲間から差し込む光が反射し、水面はキラキラと輝いていた。頬を撫でる風も穏やかで、動揺した私の心を癒してくれた。
勇太はサングラスとレゲエのカツラを外すと、ベストのポケットからいつもかけている眼鏡を取り出しかけた。そのポケットへサングラスをしまうと、空いている手で前髪をかき上げ『フウ』と大きく息を吐いた。
怪しげなカツラを外した勇太は、すっかりオシャレな大学生になった。
(髪型って大事かも!)
私は痛感した。そして、とある疑問を抱いた。
「ねえ、勇太君。何でそんな格好をしているの?」
「それはミッションのためさ」
「ミッション?何のミッション?」
「もうすぐわかるさ」
「ふぅーん…じゃなくて、今日も授業あるのに、それじゃあ出られないよ。うちの学校、けっこう校則厳しいから、土日さえ部活行くのに私服の登校出来ないんだもの。まして授業なんて絶対ダメだよ」
「それなら大丈夫。心配しないで」
「…もしかして、どこかに預けてきた?」
「いや」
「『いや?』いやって、どう言う事?」
校舎の裏は小さな土手になっていて、上ると車一台がどうにか通れる細い道があった。そこを学校の生徒達に見つからないよう注意しながら渡り、さらに校舎から離れるよう北へ向かって歩いた。
歩くこと5分。目の前には緩やかな流れの川が現れた。住宅地の真ん中を流れる川はあまり綺麗ではなかったが、雲間から差し込む光が反射し、水面はキラキラと輝いていた。頬を撫でる風も穏やかで、動揺した私の心を癒してくれた。
勇太はサングラスとレゲエのカツラを外すと、ベストのポケットからいつもかけている眼鏡を取り出しかけた。そのポケットへサングラスをしまうと、空いている手で前髪をかき上げ『フウ』と大きく息を吐いた。
怪しげなカツラを外した勇太は、すっかりオシャレな大学生になった。
(髪型って大事かも!)
私は痛感した。そして、とある疑問を抱いた。
「ねえ、勇太君。何でそんな格好をしているの?」
「それはミッションのためさ」
「ミッション?何のミッション?」
「もうすぐわかるさ」
「ふぅーん…じゃなくて、今日も授業あるのに、それじゃあ出られないよ。うちの学校、けっこう校則厳しいから、土日さえ部活行くのに私服の登校出来ないんだもの。まして授業なんて絶対ダメだよ」
「それなら大丈夫。心配しないで」
「…もしかして、どこかに預けてきた?」
「いや」
「『いや?』いやって、どう言う事?」