フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
「いや、だから親戚の人が勇太君が通う高校に何の用事があるのかと思って」
「親戚?まさか、来ないよ」
「でも今、『待っている』って言ったじゃない。誰か来るんでしょ?」
「ああ、来るよ。でも、親戚じゃない」
「じゃあ誰?」
「フフフ、それは会ってからのお楽しみ」
「お楽しみ?」
まったく見当がつかない私は、小首をかしげたまま眉間にシワを寄せた。胸の中には微妙な不安が渦巻いていた。
しかしどうにも気になって、2度ほど口を割らせようとした。だが、どちらも失敗。やむを得ず、時間つぶしに景色を眺めていた。
すると5分ほど経った頃、琴美から電話がかかってきた。
「おはよう」
『おはよう、美羽ちゃん。今、どこにいるの?』
「どこって、学校の側にいるよ」
『じゃあ、学校には来ているんだよね?』
「もちろん。だって今、一回来て、違う場所に移動したんだもの」
『良かった!それがね、もう見たかもしれないんだけど、さっきストレートコースから正門まですごい数の人がいてね。こんな事そうはないから、不安になっちゃったの。それで美羽ちゃんと語りたいなーと思って教室に来たらいなかったから、ますます不安になって電話したの』
「ごめん!もう少ししたら行くから、ま…」
とたん、誰かが左肩を叩いた。あたりを見回せば、勇太だった。
「今しゃべっている相手って、田畑さん?」
「そうだけど、どうしたの?」
「田畑さんにここへ来るよう言ってくれるかな?」
「琴美に?どうして?」
「俺達が待っている人は、田畑さんにも関係がある人だから」
「関係ある人…?」
「親戚?まさか、来ないよ」
「でも今、『待っている』って言ったじゃない。誰か来るんでしょ?」
「ああ、来るよ。でも、親戚じゃない」
「じゃあ誰?」
「フフフ、それは会ってからのお楽しみ」
「お楽しみ?」
まったく見当がつかない私は、小首をかしげたまま眉間にシワを寄せた。胸の中には微妙な不安が渦巻いていた。
しかしどうにも気になって、2度ほど口を割らせようとした。だが、どちらも失敗。やむを得ず、時間つぶしに景色を眺めていた。
すると5分ほど経った頃、琴美から電話がかかってきた。
「おはよう」
『おはよう、美羽ちゃん。今、どこにいるの?』
「どこって、学校の側にいるよ」
『じゃあ、学校には来ているんだよね?』
「もちろん。だって今、一回来て、違う場所に移動したんだもの」
『良かった!それがね、もう見たかもしれないんだけど、さっきストレートコースから正門まですごい数の人がいてね。こんな事そうはないから、不安になっちゃったの。それで美羽ちゃんと語りたいなーと思って教室に来たらいなかったから、ますます不安になって電話したの』
「ごめん!もう少ししたら行くから、ま…」
とたん、誰かが左肩を叩いた。あたりを見回せば、勇太だった。
「今しゃべっている相手って、田畑さん?」
「そうだけど、どうしたの?」
「田畑さんにここへ来るよう言ってくれるかな?」
「琴美に?どうして?」
「俺達が待っている人は、田畑さんにも関係がある人だから」
「関係ある人…?」