フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
「いいなぁ、世話係」
「へへへっ、役得です」
「ほーんとう、マジ役得!」
新垣のナイス判断で私のヘマがばれなかったようで、堂前先輩が言った瞬間、周りにいた女子が全員、普通にうなずいた。皆、嫉妬のまなざしで私を見ていた。
(これから日々謙虚にいかないと、厳しい状況に追い込まれそうだなぁ)
身の危険を感じた私は、新垣の前へ行くと『全身全霊をかけてがんばります』と再び敬礼した。
 こうして私はめでたく、勇太の世話係に就任した。よもやこの一件が重大な事件を引き起こすなど、少しも思わずに。

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