フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
「勇太君は、そんな嫌な人じゃないよ。話しかけてきたどの人にも、キチンと接しているもん」
「あんなの、ただのフェア・マンじゃない」
「フェア・マン?公平な男って事?良いこと言うじゃない。まさにそうよ!勇太君は、誰にもでも公平に接しているよ」
「違う!色白の男って事。それだけで中身はないって事。美羽もレイシーの外面にやられて、あいつの本質が見えていないのよ。『女は誰でも俺になびく』とかヒドイ事考えている性悪かもしれないのに」
「ちょっと、言い過ぎだよ。ぜんぜん知らない場所に引っ越して来たばかりで、右も左もわからないんだよ。それでも馴染もうと必死に努力しているのに、ヒドイ奴呼ばわりするなんて冷たすぎる!」
「ウルサイ!」
麗は私の手を振り払うと、心底怒った様子で視線をそらした。さげすんだ目でチラリと見れば、『先に行く』と言って足早に歩いて行った。
私は『はぁ…』とため息をつくと、ドキドキして後ろを振り返った。すると2メートルほど後ろで友人二人とたたずむ勇太と目が合った。彼も友人も複雑な顔をしていた。
私は勇太へ向かってペコリと頭を下げると、琴美の手を取り逃げるよう歩き出した。
同じクラスだから、一週間しか見ていなくても、私と麗が仲が良いのはわかるはず。私は勇太をかばったけど、麗と同じように思っているんじゃないかと疑われるのはイヤだった。
何より、親友が勇太を嫌っている事を実感し、すごくショックだった。私の大事なモノを否定された気がした。
「美羽ちゃん、ごめん。私、職員室に用事があるのを思い出した。行かなきゃ」
「…そう。じゃ私、先に行くね」
「ううん、一緒に来て。手伝って欲しいの。今日から新しいテキストを使うらしくて、それを運ばなきゃならないんだけど、重いみたいなの。たぶん一人じゃ無理だと思うんだ。もう一人の日直休みだし」
「あんなの、ただのフェア・マンじゃない」
「フェア・マン?公平な男って事?良いこと言うじゃない。まさにそうよ!勇太君は、誰にもでも公平に接しているよ」
「違う!色白の男って事。それだけで中身はないって事。美羽もレイシーの外面にやられて、あいつの本質が見えていないのよ。『女は誰でも俺になびく』とかヒドイ事考えている性悪かもしれないのに」
「ちょっと、言い過ぎだよ。ぜんぜん知らない場所に引っ越して来たばかりで、右も左もわからないんだよ。それでも馴染もうと必死に努力しているのに、ヒドイ奴呼ばわりするなんて冷たすぎる!」
「ウルサイ!」
麗は私の手を振り払うと、心底怒った様子で視線をそらした。さげすんだ目でチラリと見れば、『先に行く』と言って足早に歩いて行った。
私は『はぁ…』とため息をつくと、ドキドキして後ろを振り返った。すると2メートルほど後ろで友人二人とたたずむ勇太と目が合った。彼も友人も複雑な顔をしていた。
私は勇太へ向かってペコリと頭を下げると、琴美の手を取り逃げるよう歩き出した。
同じクラスだから、一週間しか見ていなくても、私と麗が仲が良いのはわかるはず。私は勇太をかばったけど、麗と同じように思っているんじゃないかと疑われるのはイヤだった。
何より、親友が勇太を嫌っている事を実感し、すごくショックだった。私の大事なモノを否定された気がした。
「美羽ちゃん、ごめん。私、職員室に用事があるのを思い出した。行かなきゃ」
「…そう。じゃ私、先に行くね」
「ううん、一緒に来て。手伝って欲しいの。今日から新しいテキストを使うらしくて、それを運ばなきゃならないんだけど、重いみたいなの。たぶん一人じゃ無理だと思うんだ。もう一人の日直休みだし」