フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
対し、空いている隣の席に座った麗はクールに横目でチラリと見ると、『また遅刻一歩手前ね』と耳の痛い事をサラリと言った。しかし、トップモデルのように小さな顔と切れ長の目、バランスの取れた体、腰まで届くうっとりするようなストレートヘアに凛々しい雰囲気を持った彼女は非の打ち所が無く、文句を言う勇気は出なかった。迫力もさることながら頭もバツグンに良いので、負けるのは確実だし。
ちなみに、彼女の美しさは校内どころか近隣の高校や専門学校、はたまた大学にまでとどろいていて、取り巻きがいるのはもちろん、登下校時には彼女の姿を一目見ようとやって来た男性陣が正門の前で人垣を作っていた。
麗の痛い愛に軽くヘコみつつ、琴美の前にある自分の席に座ると、なにげなく気になった事を話しだした。
「ねえ、なんかザワついている気がするんだけど、何かあった?」
「するどいね、美羽ちゃん。実はね、すっごいイケメンの男子生徒が転校してくるっって噂なの」
「イケメン!どっ、どんなイケメン?」
「ミーハーね、相変わらず」
麗は大振りの黒い手提げバッグから学校で借りた小説を取り出し広げると、冷たく言った。私は反論しようと、椅子から立ち上がった。
「悪かったわね、ミーハーで。こんな浮ついた話題にでも乗らないと、男日照りが続いて心がカサカサになりそうなの。トキめく間もないままオバサンになっちゃいそうなの!」
「もうパサついているんじゃないの?彼氏いない歴十七年だもの。けど、ミーハーするってどうなの?手の届く距離にいる男捕まえたほうがいいんじゃないの?」
「捕まんないから、ミーハー道まっしぐらなんじゃないの!そんな冷たい事言うんなら、モテ女の秘訣でも教えてよ!」
「山ほど教えたじゃない。けど、ダメだったでしょ。きっと私に似合う服と、美羽に似合う服は違うのよ。自分に似合う服は、自分で探しなさい」
ちなみに、彼女の美しさは校内どころか近隣の高校や専門学校、はたまた大学にまでとどろいていて、取り巻きがいるのはもちろん、登下校時には彼女の姿を一目見ようとやって来た男性陣が正門の前で人垣を作っていた。
麗の痛い愛に軽くヘコみつつ、琴美の前にある自分の席に座ると、なにげなく気になった事を話しだした。
「ねえ、なんかザワついている気がするんだけど、何かあった?」
「するどいね、美羽ちゃん。実はね、すっごいイケメンの男子生徒が転校してくるっって噂なの」
「イケメン!どっ、どんなイケメン?」
「ミーハーね、相変わらず」
麗は大振りの黒い手提げバッグから学校で借りた小説を取り出し広げると、冷たく言った。私は反論しようと、椅子から立ち上がった。
「悪かったわね、ミーハーで。こんな浮ついた話題にでも乗らないと、男日照りが続いて心がカサカサになりそうなの。トキめく間もないままオバサンになっちゃいそうなの!」
「もうパサついているんじゃないの?彼氏いない歴十七年だもの。けど、ミーハーするってどうなの?手の届く距離にいる男捕まえたほうがいいんじゃないの?」
「捕まんないから、ミーハー道まっしぐらなんじゃないの!そんな冷たい事言うんなら、モテ女の秘訣でも教えてよ!」
「山ほど教えたじゃない。けど、ダメだったでしょ。きっと私に似合う服と、美羽に似合う服は違うのよ。自分に似合う服は、自分で探しなさい」