フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
事件勃発
昼休み。私は琴美と二人でお弁当を食べた。一応麗には声をかけたが、『うん』とも『すん』とも言わず、完全に無視された。もちろん他のクラスメイトは誰も『一緒に食べよう』と誘わない。逆に『意地はって、本当は寂しいくせに』と陰口をたたいていた。
(言われてしまう麗も悪いけど、みんなもそこまでいわなくていいのに。心の中で思うだけにすればいいのに…)
しかしどうすることも出来ず、黙々とお弁当を食べた。こんなに味気ないお弁当は初めてだった。『もうちょっとで勇太君から告白されるかもしれない』と浮き足だっていたのが、ウソのようだった。
「ねえ、美羽ちゃん」
「何?」
「ごはん食べ終わったら、話したい事があるんだけど」
「あ、ごめん。ちょっと用事があるんだ」
「そうなんだ…」
「今ここじゃ話せないの?」
すると琴美は、私の耳元へ口を寄せささやいた。
「麗ちゃんのことだから」
「ああ、なるほど…わかった、5時間目終了後の休み時間はどう?予定は何もないよ」
「十分くらいじゃ、あんまり話せないよ。最低でもその三倍は欲しい」
「そっかー。でも、今日も部活あるから放課後は時間ないし。夜、電話じゃダメかな?」
「部活ってすぐ行かなきゃならないの?」
「今、勇太君のお世話係しているからね。部の空気に慣れるまでは、できるだけ一緒にいてあげようかと思って」
「そうだね。ふーむ、しょうがないな」
「ごめん。いつも琴美に迷惑かけているのに、お願い聞いてあげられなくて」
「ううん、いいよ。夜電話して。それまで待つから」
「うん、よろしく!」
琴美が笑顔でうなずくのを確認すると、ホッとしてお弁当を食べた。食べ終えれば急いで教室を飛び出した。
(言われてしまう麗も悪いけど、みんなもそこまでいわなくていいのに。心の中で思うだけにすればいいのに…)
しかしどうすることも出来ず、黙々とお弁当を食べた。こんなに味気ないお弁当は初めてだった。『もうちょっとで勇太君から告白されるかもしれない』と浮き足だっていたのが、ウソのようだった。
「ねえ、美羽ちゃん」
「何?」
「ごはん食べ終わったら、話したい事があるんだけど」
「あ、ごめん。ちょっと用事があるんだ」
「そうなんだ…」
「今ここじゃ話せないの?」
すると琴美は、私の耳元へ口を寄せささやいた。
「麗ちゃんのことだから」
「ああ、なるほど…わかった、5時間目終了後の休み時間はどう?予定は何もないよ」
「十分くらいじゃ、あんまり話せないよ。最低でもその三倍は欲しい」
「そっかー。でも、今日も部活あるから放課後は時間ないし。夜、電話じゃダメかな?」
「部活ってすぐ行かなきゃならないの?」
「今、勇太君のお世話係しているからね。部の空気に慣れるまでは、できるだけ一緒にいてあげようかと思って」
「そうだね。ふーむ、しょうがないな」
「ごめん。いつも琴美に迷惑かけているのに、お願い聞いてあげられなくて」
「ううん、いいよ。夜電話して。それまで待つから」
「うん、よろしく!」
琴美が笑顔でうなずくのを確認すると、ホッとしてお弁当を食べた。食べ終えれば急いで教室を飛び出した。