フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
「先生さえ彼女達のやっている事が犯罪だとわかっているなら、謝ってもらわなくてもかまいません。今は多勢に無勢で勝った気になっているけど、悪はいつか滅びます。必ず周囲の人々は彼女達の罪を認めずにいられない時期が来るからです。そして私は負けない。絶対勝ちます」
「だったら、あんたの方が先に滅びるわね!勇太君をオタク呼ばわり罪は重いわよ。みーんな勇太君の味方だもの!」
「望むところよ。たとえ敵が何百万人いようと負けないわ」
「高飛車もそこまでいくと感心するわ。本当、倒すのにやりがいがあるってもんよ!」
「なんですって!こっちこそ、ぶっつぶしてやる!」
「覚悟しな!」
「まあまあ!ちょっと待て。一度ちゃんと話し合おう。お互い考えをぶつけ合ってもラチがあかん」
「あきますよ。倒せばね」
「高嶋、ケンカを買うな。とにかく、授業後に話し合おう。いったん休戦だ」
しかし麗と同じチームになった女子3人は、するどい視線でにらみ合った。教師の忠告など聞く気配すらない。全員強気だけに、一歩も引こうとしなかった。
 しかし麗はこの時から、琴美をのぞくクラスの女子全員と、いや学校中の女子全員と敵対関係になった。男子はとばっちりをくらうのを恐れ、手出ししようとしない。
 私は彼女達のやり取りを複雑な気持ちで見ていた。
 とたん、一つのアイデアがひらめいた。
(よーし、やってみるか!)

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