フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
「けど…」
「早く仲直りして。友達がいないのって、寂しいよ」
勇太は遠い目をして言った。とても寂しそうに見える。
 彼は転校してきて日が浅いから、心を深く通わせる友達はまだいない。みんな、アメリカに置いてきた。10時間以上も飛行機に乗らなければ会えない場所にいる友人になど、カンタンに会えるはずないから。
(寂しいんだろうな、本当に…)
勇太の気持ちを思うと、それ以上何も言えなかった。
 かくして、私は勇太と決別しなければならなかった。
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