フェアマン~愛しい彼はハーフの男の子~
「うん。この本をちらっと見た感じだと、コシマ ヒデオさんのプライベートな日々に関して色々書かれていると思うの。つまり、どんな行動をしているか、どんな事を考えているか雑誌なんかよりリアルタイムに近い状態で多くの人に発信できると思うの」
「確かに」
「たとえ麗が直接見ないにしても、ファンの人は見るだろうから、ファン同士が会えば何かしらブログの事が話題に上ると思うの。そうすれば、間接的にだけど、麗の耳に勇太君の話題が入る。勇太君ががんばっている事を色々知ったら、麗の気持ちが変わるかもしれないでしょ?」
「ああ、なるほど」
「ねえ、いいでしょ?ブログをつけても」
勇太はアゴに手をあて、考えた。眉間に寄せたシワの深さが彼の苦悩を物語っていた。
ゴクリ、と唾を飲み込む。
(『いいよ』って言って。『いいよ』って言って!)
勇太はフーッと小さく息を吐き出すと、大きく頷いた。
「わかった。いいよ、ブログをつけても」
「やった!ありがとう!」
「ただし、軽いノリにならないよう気をつけて欲しい」
「うん、気をつける」
私は勇太に向かって手を差し出した。
「これから毎日密着取材させてもらうけど、よろしくね」
「了解しました」
握手を交わすと、ようやく私の心は晴れ晴れとした。
(この計画がうまくいきますように!)
真っ赤に染まった茜空へ向かって祈った。雲がほとんどない空は、明日の天気が晴れであることを物語っていた。だから、空へ祈れば計画もうまく行く気がした。
「確かに」
「たとえ麗が直接見ないにしても、ファンの人は見るだろうから、ファン同士が会えば何かしらブログの事が話題に上ると思うの。そうすれば、間接的にだけど、麗の耳に勇太君の話題が入る。勇太君ががんばっている事を色々知ったら、麗の気持ちが変わるかもしれないでしょ?」
「ああ、なるほど」
「ねえ、いいでしょ?ブログをつけても」
勇太はアゴに手をあて、考えた。眉間に寄せたシワの深さが彼の苦悩を物語っていた。
ゴクリ、と唾を飲み込む。
(『いいよ』って言って。『いいよ』って言って!)
勇太はフーッと小さく息を吐き出すと、大きく頷いた。
「わかった。いいよ、ブログをつけても」
「やった!ありがとう!」
「ただし、軽いノリにならないよう気をつけて欲しい」
「うん、気をつける」
私は勇太に向かって手を差し出した。
「これから毎日密着取材させてもらうけど、よろしくね」
「了解しました」
握手を交わすと、ようやく私の心は晴れ晴れとした。
(この計画がうまくいきますように!)
真っ赤に染まった茜空へ向かって祈った。雲がほとんどない空は、明日の天気が晴れであることを物語っていた。だから、空へ祈れば計画もうまく行く気がした。