フェアマン～愛しい彼はハーフの男の子～

　みんながいなくなっても、私は立ち直れなかった。うなだれて机を見ていた。
　すると、ふいにメールが来た。
（誰だろう？）
携帯電話を制服のポケットから取り出して見ると、意外な人からだった。
（勇太君！な、何の用事だろう？）
メールを開いて見ると、不安とショックは一気に和らいだ。
―さっきはみんなの前でキツイ事を言ってごめんね。ああでも言わないと、また村瀬さんに絡みそうだったから―
（なんだ、そうだったんだ。モーションかけたらはねのけるなんて言うから、もう何をしても絶対ダメなのかと思った。…安心した）
とたん、私はハッとする。胸がドクン！と高鳴った。
（…って事は、モーションかけても良いってこと？勇太君は私の気持ちを受け入れてくれるって事？）
突然やってきた両思いのチャンスに、全身の血が沸騰しそうだった。一瞬で夢見心地になった。メチャクチャ気持ちよかった。おかげでその後、取材することをすっかり忘れていた。