眠り姫、目醒るとき
『大丈夫』
そういわれ安心して涙を止めて眠りに落ちていた。
彼女は世界一孤独と死を恐れる寂しがり屋な眠り姫。




だから目を覚まし、人の姿が見えないと再び涙を流していた。





それから

何年か経って

少女は成人になった。



時が経てば進歩することもかわることもある。



彼女の眠りは時間を計ったかのように正確で、体調によってどれくらいかわるかも医師たちもわかるようになった。



そして・・・









『あいりちゃん、ぼくがいっしょにいてあげるよ。・・・だから、・・・なかないで・・・』





眠る前、涙を静かにながす十歳の少女に励まし続けた五歳の少年は




大きく成長し、彼女の両親も夜中でも出入りを了承できる年齢になった。





腕時計に彼女の睡眠時間を記録して、必ず起きたとき
傍にいられるようにタイマーをセットしている。




授業で行くことができないときには彼女の母に連絡をし、誰かが必ず傍にいられるように頼んで、自分も急いで向かうようにしている。
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