ヴォルテーヌの鐘
序章
始まりの物語
あぁ、早くあの鐘を鳴らさなければ・・
少年は、闇の中を駆けていく。
今見た物が信じられない。
だか、血の滲んだ右足がそれが夢で無いことを告げている。
銃弾を受けた足を引きずりながら、何度も後ろを振りかえる。
大丈夫だ。あいつは、追って来ていない。
後少しだ。後・・(ドン)
「痛っ!」
背中に燃えるような痛みが走る。
後少しなんだ。後少し・・
少年は、霞んでいく意識の中で必死に手を伸ばした。
(ドンドンドンッ)
(トサ)
少年の伸ばした手が静かに土に沈む。
闇に溶けるように佇む白亜の教会だけが、少年を見つめていた。
少年は、闇の中を駆けていく。
今見た物が信じられない。
だか、血の滲んだ右足がそれが夢で無いことを告げている。
銃弾を受けた足を引きずりながら、何度も後ろを振りかえる。
大丈夫だ。あいつは、追って来ていない。
後少しだ。後・・(ドン)
「痛っ!」
背中に燃えるような痛みが走る。
後少しなんだ。後少し・・
少年は、霞んでいく意識の中で必死に手を伸ばした。
(ドンドンドンッ)
(トサ)
少年の伸ばした手が静かに土に沈む。
闇に溶けるように佇む白亜の教会だけが、少年を見つめていた。