幸せ。
「…柊か?」
誰だ、こいつ。
町を歩いてたら、名字で呼ばれた。
「…って、わかられへんわなぁ!俺、学校でお前のとなりの席なんやけでなぁ、なかなか学校来てくれへんやん!俺寂しなってしまったわ!」
無駄に長く、熱く語るかれ。
「んで?名前ゎ?」
「あれ?いってへんかったっけ?西森祐やで」
西森…?
知らない。だれやねん。
「…祐ね?」
「つかなんでお前危ない町におるねん!」
「なんでもえぇやん」
「よくないで!今日ゎ、俺が送ってくことに決めたで!」
はっ? ワケわからん。
「やめてょ、家には帰りたくない。」
だいたい、西森だって、金髪でピアスジャラジャラで、そんなやつに帰れとかいわれたなぃ。
「なんでなん?家でなんかあったんか?」なぜか、涙か出てきた。
もぅ、止まらない。
なにかが頭をさわる。
「話してみんか?俺に。なんか、俺とお前、似とるから。」
なんとも言えない、安心感。
不安が、嘘のように思える、温かさ。
……話してみようかな。そう思った。

これが、祐とのであい。
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