幸せ。

あれは、2年前。
紗世が、中1で13才の時。
「お母さん、電話やで」
母の携帯電話がなった。

―着信アキラクン―

……あきらくん?誰やろ?
「はぃ。もしもし。」
母は、二階にいて、紗世が呼ぶ声に気付いていなかった。
思わず、携帯に出てしまった。
「あー、りぉ?あきらやけど、今夜くるよな?っておーい聞いとるか?」
うちの母の名前は、佳代。りおじゃない。それに、夜は、エステサロンで働いてるはず。
…プツ。
思わず携帯を切っていた。
……………………浮気?
裏切った?ママが私を裏切った?
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