冷徹な傷
「愛は…ここの屋上から飛び降りた。
多分、葉多に仕組まれたんだろう。
俺たちは助けられなかったんだ。
愛は俺が助けたり、庇おうとすると…必ず睨んでくるんだ。
後で訳を聞くと、
‘秋波先輩は部長なんだから私に構っているより、この部活を全国一にすることだけを考えて下さい。
私は庇われるより、全国一になったほうが嬉しい’
って俺たちが好きな笑顔で言うんだ。
その笑顔に偽りはなかった。」
「…そう」
愛が言いそうなことだわ…
「そんなこと言われたら…
そうするしかねぇだろ…
愛はこの部活に全国一になってほしいみてぇだからな…」
「でも、今のままじゃダメね。
マネージャーがアレだもの。」
「ああ…そうだな…」
「お願い、これから私がやることに対して何も言わないで。」
「何をするんだ?」
「わからない?
復讐よ」
そう言って彼女は妖しく微笑んだ。
金色の髪をはらいながら。