冷徹な傷
「復讐って…
お前は愛のなんなんだよ」
「愛は…
私にとって大切な人よ
私に光をくれた。
兄がいなくなった私に…」
「…兄?」
「おっと喋りすぎたわね。
この話はまた今度。
とりあえず、そういうことだから」
瞬林院は有無をも言わせずそう言うと部室から出ていった。
秋波はさっきのその妖しく微笑んだ桜華に魅せられていた。
いつもの彼らしくなく。
金色に近い栗色の髪の毛にサファイアブルーの瞳、アイスブルーともいえるだろう。
彼はその全てに魅入ってしまった。