冷徹な傷
私は秋波に聞いた
「この部活はレギュラーを中心として考えてるの?」
「よくわかったな
平部員のことも考えているが、やっぱり優先はレギュラーだな。
不満か?」
「いえ、特に。
強い者が弱い者よりも優先されるのは、当然だわ」
「フッ…
お前の思考だとそうだろうな
愛は違ったぜ」
「だって愛は私なんかと違って優しいもの」
「そうか」
そう呟き、秋波は練習に行った。
部室に戻った私を待っていたのは
ネイルを熱心にしながら雑誌を見ている葉多だった。
「きゃはっ
このワンピめちゃかわ~!!
でもこのモデルかわいくない~
私のがかわいいと思わない!?」
私に話しかけてきたから答えてやった
「そうね。
貴女よりはかわいいんじゃないかしら」
「な、なによ!!
よく見もせずに何適当に言ってるのよ!!」
「見なくてもわかるわ
貴女が誰よりも腐ってるってことはね」
私がそう言うと、葉多は顔を醜く歪め、
そしてニヤリと口角を上げた。
「仕方ない、アンタも地獄へ落ちてもらうわ
私の騎士に精々遊んでもらって?」
そう言った葉多
落ちるのは貴女よ?