冷徹な傷
「私はやってないわ。この女が勝手に落ちたの」
「そんなわけねえだろ!!」
「…そんなことよりも彼女を保健室に連れてくほうが先じゃないの?」
「くっ…部活の時間、楽しみにしとけよ!!」
人がいなくなりシーンと静まりかえる階段
「お前最低だな」
そう言って影から出てきたのは美濃部
「お前のこと、信じかけてたのに…美香を突き落とすなんて最低だ」
最低?どっちが?最低なのは貴方たちじゃないの?
「貴方何様!?なにが信じかけてたのによ!!
勝手に信じたり裏切ったりするのは貴方たちの方だわ!!」
「は!?意味わかんねえよ!!
…時間の無駄だから戻るわ」
そう言った美濃部の姿が見えなくなった時、私は話しかけた
「いつまで盗み聞きしてるつもり?皆いっちゃったわよ」
そう言った踊り場の死角からでてきたのは…
「お、俺…!!」
さっき教室で目が合ったときから気づいてたわ
貴方が私の後をつけていることを
ね、
日向くん?