君に恋して…

ゆうまと別れてから1ヶ月。

相変わらず学校に来ない。


鑑別所に行ったなんて
噂も聞いた。

けどきっと違う。

またいつか来るよ。


あたしはそう信じてた。



ゆうまと別れたことを
ありさに話して以来
カラオケに行かなくなった。

そしてあたしは
笑わなくなった。




今日も一人で家に帰る。

すると前からゆうまが
歩いてきた。

あれはゆうまだ。
間違えるはずがない。
大好きだった人。
そして
今でも大好きな人。

しばらく見てないけど
あれは確かにゆうまだ。



ゆうまとすれ違った。






指輪……。



指輪は確かにしてたよ…。

ArisaYumaと
彫ってある指輪を…。



『ね、ねぇ!』

ゆうまに話しかけた。

『ん?』

久しぶりの
ゆうまの声。

あたしはゆうまの
ん?が大好きだった。

目を開いて
首を傾けて。

その不意の仕草が
大好きだった。


『どうして学校来ないの?』

『つまんね~』

『あたしだって……』

『なに?』

『あたしだって
ゆうまが居なきゃつまんない!!


あ……』


言っちゃった…


すれとゆうまは
あたしを黙って抱きしめた。

そして
唇に軽くキスをした。


そしてゆうまは
『じゃあな』
と帰ってった。


ゆうまに触れられたとき
心臓がバクバクした。


嬉しかった。
のに
悲しかった。



聞きたいことは
山ほどあった。


< 34 / 40 >

この作品をシェア

pagetop