二重人格のお嬢様と万能な執事

「泣いてないかなぁって思って」

私は座っていた椅子から立ち上がって言う。

「お父様達に怒られてしまうわ! なんで、くるの? 来る必要なんてない! 私は嫌われ者なの……。愛されちゃいけないの!!!」

「そんなの、誰が決めたんだ!」

レイタが叫んだ。

どうして?

私の目からは涙がこぼれる。

今まで、何も言わなかったじゃない……。

今更、なんで?

もう、遅いわ……。
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